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気づきの3つの領域 エクササイズ

 

◆気づき awarenessとは

ゲシュタルト療法では、
〈気づき〉 awareness
の持つ機能(力)を、
とても重視しています。

この点が、
ゲシュタルト療法を、
単なる心理療法を超えて、
禅や各種の瞑想流派に
近づける要素でもあります。

これは、
〈気づき〉という機能が、
通常の注意力や意識に対して、
メタ(上位)的な働きを含め持ち、
それらを統合していく力を、
持っているからです。

「『気づく』ことは、
クライエントに自分は感じることができるのだ、
動くことができるのだ、
考えることができるのだということを
自覚させることになる。

 

『気づく』ということは、
知的で意識的なことではない。
言葉や記憶による『~であった』という状態から、
まさに今しつつある経験へのシフトである。
『気づく』ことは意識に何かを投じてくれる。」
(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

気づきの力は、
自分が意識している体験自体に、
気づくことができる、

メタ機能なのです。

ゲシュタルト療法では、
この気づく能力を高めることで、
統合的なプロセスを進め、
治癒過程を深めていくのです。

 

「『気づき』は常に、現在に起こるものであり、
行動への可能性をひらくものである。
決まりきったことや習慣は学習された機能であり、
それを変えるには
常に新しい気づきが与えられることが必要である。

 

何かを変えるには別の方法や考え、
ふるまいの可能性がなければ変えようということすら考えられない。
『気づき』がなければ新しい選択の可能性すら思い付かない。
気づき』と『コンタクト』と『現在』は、
一つのことの違った側面であり、
自己を現実視するプロセスの違った側面である。」
(パールズ『ゲシュタルト療法』倉戸ヨシヤ訳、ナカニシヤ出版)

パールズは、
「自覚の連続体 awareness continuum」
とも呼びましたが、
意図的な気づきの力は、
それだけでも、
心の治癒を促進する、
大きな効力を持つものです。

 


◆気づきの3つの領域

さて、
ゲシュタルト療法では、
気づきがとらえる3つの領域を、
区分しています。

通常、人は、
無自覚(無意識)のうちに
注意力を、
これらの各領域に、
さまよわせています。

ゲシュタルト療法では、
自分の注意力が、
どの領域にあるのかに、
瞬間瞬間、
気づくことによって、
また、
各領域にバランスよく注意を向け、
気づけるようになることを通して、
統合のプロセスを、
促進していきます。

3つの領域とは、
上に図にしたように、
外部領域、内部領域、中間領域と呼ばれます。
それぞれは、以下を意味しています。

・外部領域
 →目の前や周りの環境、外部に実在している物質世界、
  自分の皮膚の外の世界を、
  直接知覚する五感の領域です。

・内部領域、
 →自分の皮膚の内側の領域です。
  心臓の鼓動、動悸、胃の痛み、血流、体温、興奮等々、
  内的な感覚です。
  情動が働く領域でもあります。 

・中間領域
 →思考と空想の領域です。
  外部でも内部でもない世界です。
  諸々の想念(心配、不安、希望、意欲、妄想)の
  流れです。

ゲシュタルト療法では、
「ゲシュタルトの形成と破壊のサイクル」で見たように、
環境に生きる生き物として、
内部への「引きこもり」から、
外部への「接触(コンタクト)」までの、
欲求行動を、
速やかに、とらわれなく、
自由に実行できることを、
健全な能力と見ます。

しかし、人は、
さまざまな要因(トラウマや癖)により、
偏った領域に、
「注意力」を、
集めがちです。

たとえば、外部領域の経験で、
傷つきやトラウマの体験を持った人が、
中間領域(空想や思考の領域)に、
引きこもりがちになってしまうというのは、
常識的な感覚からいっても、
納得されることではないでしょうか。
そして、
自分が、無自覚に、
どの領域に、
「意識」や「注意力」を、
向けているかに、
〈気づき〉を持てるだけでも、
その偏差に対する、
統合(修正)効果となるのです。


◆気づきのエクササイズ Exercise

さて、そのため、
シュタルト療法では、
以下のような、
「気づきのエクササイズ」を、
行なっていきます。

このことを通して、
自分の「意識」や「注意力」の、
偏りの持ち方に
気づいていくのです。
 
ABの二人が、
一組になって行なう、
エクササイズです。
1人が、相手の人に、
問いかけを続けます。
(数分間つづけます)
問いかける側が、
応える人の答えを、
メモしていきます。


A:「あなたは、今、何に、気づいていますか?」
B:「私は、今、○○に気づいています」

 

Bの答えの例としては、

「私は今、
 あなたの声のかすれに、気づいています」 
 →外部領域

 

「私は今、
 首の痛みに気づいています」 
 →内部領域

 

「私は今、
 明日の会社の仕事を考えているのに気づいています」 
 →中間領域
等々がありえます。

 

これを、数分続けます。
エクササイズ終了後、
振り返りの中で、
それらの回答(気づき)が、
3つの中の、
どの領域に、分布しているかを、
お互いに見ていきます。
人によって、
ある領域が、多かったり、
ある種の傾向性があったりと、
自分の癖やパターンが、見えてきます。
 
ゲシュタルト療法では、
このパターンの偏りが、
心の可動域をせばめたり、
充分な体験を阻害したりと、
能力の制限にもなっていると考えます。
この部分を、
ゲシュタルト療法では、
ワーク(セッション)などを通して、
心の可動域が広がるようにします。
 
この能力は、
頭(中間領域)で、

コンセプトを理解しただけでは、
なんの進化も生みません。
 
日々の気づきの訓練と、
ゲシュタルト療法的な実践の中で、
3つの領域に、
自在に〈気づき〉をめぐらせる訓練の中で、
進化を生むものなのです。

現代人の場合、特に、
「中間領域」(空想領域/心配/妄想)への耽溺が、
大きな特徴として上げられます。
思考過多(中毒)なのです。

ゲシュタルト療法のアプローチは、
この現代人の中間領域志向についても、
強い解毒作用を発揮します。
この点などが、禅などとの共通点ともなっているのです。

ゲシュタルト療法普及の初期に、
その実存主義と禅の風味を強調した時代に、
クラウディオ・ナランホが示した、
ゲシュタルト療法の基本姿勢は、
このあたりの感覚を、よく表現しています。

ゲシュタルト療法の基本姿勢

 

関連記事

気づきawarenessと自己想起self-remembering

 

 

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