サイケデリック(意識拡張)体験とは何か 知覚の扉の向こうへ

 

 

さて、「サイケデリック」という言葉は、

音楽やデザインのイメージとして、

その言葉が、よく知られていますが、

それが、実際に、

「どのような体験内容を指しているのか」

という点については、日本では、

一般にはあまり理解されていません。

 

 ところで、変性意識状態(ASC)の研究も、

トランスパーソナル心理学の出現も、

その時代的な背景として、

向精神性物質(ドラッグ)を使った、

サイケデリック(意識拡張)体験の研究があってこそ、

リアルで、厚みのあるものになっていった、

という経緯(前提)があります。

 

日本の中では、

変性意識状態(ASC)の話や、

トランスパーソナル心理学が、

理論ばかりで、いまひとつ、

実感的・実践的な印象を持たれないのも、

そのあたりの事情に関係があるのかも

しれません。

 

特に、時代に先駆けた先駆的な業績としては、

英作家オルダス・ハクスリーが、

 「サイケデリック」という造語を考えついた、

ハンフリー・オズモンド博士のもとで、

メスカリンの服用体験を記した、

『知覚の扉』という書物があります。

(この書名The Doors of Perceptionは、

米ロック・バンドのドアーズの名前の元となりました)

 

メスカリンは、

ネイティブ・アメリカンの或る部族が、

儀式でつかうサボテン(ペヨーテ)に、

含まれている物質でした。

 

ここで記された哲学的洞察などは、

後の諸流派への、

決定的な指針になったことがうかがえるような、

大変興味深いものとなっているのです。

 

変性意識状態(ASC)や、

トランスパーソナル心理学が、

そもそも何を前提として、

何を目指しているのかを、

考えるのに際して、

とてもヒントになるものでもあるのです。

 

 ハクスリーは、

その体験を記しています。

 

「…私が眼にしていたもの、

それはアダムが自分の創造の朝に見たもの―

裸の実在が

一瞬一瞬目の前に開示していく

奇蹟であった。

 

イスティヒカイト。

存在そのもの―

エクハルトが好んで使ったのは、

この言葉ではなかったか?

イズネス、存在そのもの。

 

プラトン哲学の実在―

ただし、プラトンは、

実在と生成を区別し、

その実在を

数学的抽象観念イデアと同一視するという、

途方もなく大きな、奇怪な誤りを

犯したように思われる。

 

だから、可哀想な男プラトンには、

花々が

それ自身の内部から放つ自らの光で輝き、

その身に背負った意味深さの重みに

ほとんど震えるばかりになっている

この花束のような存在は、

絶対に眼にすることができなかったに

相違ない。

 

また彼は、

これほど強く意味深さを付与されたバラ、

アイリス、カーネーションが、

彼らがそこに存在するもの、

彼らが彼らであるもの以上のものでも、

以下のものでもないということを

知ることも、

絶対にできなかったに相違ない。

 

彼らが彼らであるもの、

花々の存在そのものとは―

はかなさ、

だがそれがまた永遠の生命であり、

間断なき衰凋、

だがそれは同時に純粋実在の姿であり、

小さな個々の特殊の束、

だがその中にこそある表現を超えた、

しかし、

自明のパラドックスとして

全ての存在の聖なる源泉が見られる…

というものであった。

 

…私は花々を見つめ続けた。

そして花々の生命を持った光の中に、

呼吸と同じ性質のものが

存在しているのを看たように思った―

だが、その呼吸は、

満ち干を繰返して、

もとのところにもどることのある呼吸では

なかった。

 

その呼吸は、

美からより高められた美へ、

意味深さから

より深い意味深さへと向かってだけ

間断なく流れ続けていた。

 

グレイス(神の恩寵)、

トランスフィギュレーション

(変貌、とくに事物が神々しく変貌すること)

といったような言葉が、

私の心に浮かんできた。

 

むろん、これらの言葉は、

私が眼にする外界の事物に

顕わされて顕われていたのである。

 

バラからカーネーションへ、

羽毛のような灼熱の輝きから

生命をもった紫水晶の装飾模様―

それがアイリスであった―

へと

私の眼は少しずつ渉っていった。

 

神の示現、至福の自覚―

私は生まれて初めて、

これらの言葉の意味するものを

理解した。

 

…仏陀の悟りが

奥庭の生垣であることは、

いうまでもないことなのであった。

 

そして同時にまた、

私が眼にしていた花々も、

私―いや『私』という名の

ノドを締め付けるような束縛から

解放されていたこの時の『私でない私―』が

見つめようとするものは、

どれもこれも

仏陀の悟りなのであった。

 

…宗教上の言葉で

“この世”と呼ばれている世界が、

すなわちこの世界であり、

その世界では

濾過されて残った意識内容だけが

言葉によって表現される世界、

そしてさらにいえば、

言葉によって生命を失って

石化されてしまっている世界である。

 

ほとんどの人々は、

その人生のほとんどの時において、

減量バルブを通して減量された意識内容で、

方言にすぎない人間の言語が

本当に真実のものだという

お墨付けを付けたものだけしか

知ることがない。

 

減量バルブの表街道に対して、

これを出し抜く

一種のバイパスというべき裏街道が

存在する。

そしてある種の人々は、

このバイパスを

生まれつき持っているように思われる。」

ハックスレー『知覚の扉』今村光一訳、河出書房新社

 

 

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