アディクション(中毒、嗜癖)にひそむ精神性

 

今回は、

アディクション(中毒、嗜癖)の探索について、

書いてみたいと思います。

 

あの種の心理療法の考え方では、

アディクション(中毒、嗜癖)の背後には、

精神的(霊性的)なものがあるといいます。

 

クライアントの方の中において、

アディクション(中毒、嗜癖)は、

深い無意識の渇望を充たすための、

代替物として、便宜的に、

その中毒物(中毒体験)がえらばれている、

と考えるわけです。

 

催眠療法などでも、

中毒治療のアプローチとして、

中毒体験時(状態)で起こっていると思しき、

体験過程を仮定して、

その欲求を充たす手段を、

中毒物ではない別の代替物に転化させるように、

無意識に対して働きかけたりします。

 

そして、このような無意識の渇望が求める、

体験過程というものには、

私たちの日常意識の理解しがたい要素や、

精神性が、存在している場合もあるのです。

そのため、無意識は、

嗜癖物を通した変性意識状態(ASC)によって、

それらを、得ているとも考えられるのです。

 

以下は、そのような嗜癖の背後にある、

無意識の精神的欲求を探っていくための、

ワークです。

これは、その昔、マックス・シュパック博士に、

教えてもらったものとなります。

 

 

◆アディクション(中毒、嗜癖)を扱うワークの手順

 

まず、自分の嗜癖である、

あるテーマ(飲酒等)を選びます。

 

その対象を、

実際に、体験して(味わって)いる時の、

一連の物理的手順や感覚的プロセスを、

すべて細かく思い出します。

そして、ゆっくりと、それを実演するかのように、

再現して、その体験過程を感じてみます。

今まで、気づかなかったような細部(ディテール)に、

気づいていくことと思います。

 

③次に、その体験過程の中で、

自分が最も魅力に感じている要素を見つけます。

その感覚体験があるがために、

その嗜癖を求めてしまっている要素です。

どこがもっとも魅惑的な要素なのか、

言葉で表現すると同時に、

より直観的な形で、線や図形としても、

書きとめてみます。

 

さらに、その要素を、

身体的な動作、例えば「手の動き」にしてみます。

そして、その動きを実演して、体感してみて下さい。

その感覚要素を表すのに、ぴったりとした、

「手の動き」を見つけ出すのです。

 

次に、②で行なった手順や体験過程を、

スローモーションで再生するかのように、

もう一度、再現してみます。

その体験プロセス・手順を、

細かく分けて、味わうように見ていきます。

自分の体験過程の諸相を、微分するかのように、

細かく気づいていきます。

 

(例)中毒が珈琲を飲むことの場合

・お湯を沸かす

・珈琲の豆の袋をひらく

・珈琲の豆をすくう

・珈琲の豆を挽く

・珈琲をむらす

・珈琲をドリップする

・お湯を注ぎ足す

・器に注ぐ

・注がれた珈琲を見る

・器を手に取る

・香りを嗅ぐ

・器に口をつける

・珈琲を飲む

等々です。

 

実際の手順や感覚体験は、

もっと細かく分けられるでしょう。

そのようなプロセスを、

実演しながら、感覚的な体験過程の諸相に、

気づいていって下さい。

 

⑤次に再演した体験過程・感覚体験のなかで、

今まであまり気に止めていなかった部分、

気づいていなかった部分、盲点のような部分、

謎めいた不思議な部分を探してみて下さい。

 

中毒(嗜癖)体験なので、今まで何度も、

反復している事柄ですが、

その中で、あまり気づいていなかった、

未知の部分です。

 

③で見た部分のように、

表面的にわかる部分ではなく、

隅に引っ込んでいたり、

遠くにあって、不鮮明な部分です。

 

⑥そして、その謎めいた部分、

不思議な部分というものを取り出して、

③でやったように、

言葉や線や絵を与えてみて下さい。

書き留めてみて下さい。

 

そしてまた、同様に、

その要素を、身体的な「手の動き」にしてみます。

それを実演してみて下さい。

その要素を表す、ぴったりとした、

「手の動き」を見つけ出して下さい。

 

⑦さて、嗜癖の体験過程から取り出された、

2つのタイプの「手の動き」が見つかりました。

次に、その「手の動き」を、

探求的に、実演していきます。

その背後にあるものを、探っていきます。

 

まず、最初の③の手の動きを、

実演してみます。

 

実演する中で、

手の動きが変わって来るようであれば、

それで結構です。

その本質的な要素が変わらないレベルで、

自然な変化に任せて下さい。

ダンスになるようであれば、

その動きや変化を、展開してみて下さい。

 

その特性・特徴を味わい、

よく実感して、それが自分にとって、

「何を意味しているのか」に気づいていって下さい。

何が魅惑で、嗜癖的に惹きつけるのかを見つけて下さい。

気づいたことがあったら、書きとめて下さい。

 

次に、⑥の2番目の手の動きに対しても、

同様のことを行ないます。

その中から出て来るものに気づき、

書き留めて下さい。

 

⑧さて、次に、

その2つの手の動きを交互に行ない、

この2つの要素の関係性を探っていきます。

 

その両方の動きの感じをよく味わいながら、

2つに共通している要素を、

探り、気づいていってみて下さい。

 

どこかそれらの本質に、

共通している要素がないか。

探ってみて下さい。

 

そして、この2つの要素が共存する、

空間・場所・状態がないか、

手に動きや体の動きを、

軸にして、探ってみて下さい。

 

そのようなものが、見つかったら、

書きとめておいて下さい。

それが自分とって、どんな意味があるか、

時間をとって、考えてみて下さい。

 

 

…………………………………………………………………

 

さて、

手順だけでは少しわかりにくいので、

事例として、著者の体験を記してみましょう。

 

十年以上前ですが、当時は、珈琲に対して、

大きな嗜癖を持っていたので、

テーマに取り上げてみました。

 

さて、まず、最初の手の動きは、

刺すような、稲妻のような動きでした。

 

その手の動きは、刺すような、

ジグザグで素早い、ギザギザの動きでした。

それは、筆者が、

珈琲に見出している覚醒感の要素の表現でした。

その覚醒感を求めて、

珈琲を飲んでいるといっていい要素でした。

 

次は、2つ目の手の動きですが、

それは、筆者にとって、

思いがけないところから、

どこから取り出されました。
 

さきの④⑤の手順にあるように、

珈琲を体験する際の一連の手順や体験を、

気づきの欠けた(謎めいた)部分を探るために、

何度も反復し、気づきを当てていきました。

 

すると、ふと、

それまで、意識していなかった、

ある体験過程に、気づいたのです。

筆者は、珈琲をドリップして抽出し終わると、

「一瞬だけ」

ホッとして、安心することがあるのでした。

そして、珈琲をすぐには飲まずにいるのでした。

 

それは、一瞬だけのことなので、

普段、意識していなかったのですが、

スローで体験を再生してみて、

そんな体験をしていることに、

気づいたのでした。

 

その「一瞬だけ」ホッと安心する要素を、

手の動きにしていくと、

それは気功のような、太極拳の動きのような、

ゆったりとした静謐な動きになりました。

「まったき平和の空間」

そんな要素が、そこにはあったのでした。

 

そして、その2つの手の動きの要素を、

交互に織り交ぜて、響かせ合いながら、

共通する要素を探っていきました。

その自然な動きの展開に合わせて、

ヴィジョンを追っていくと、

(閃光のように)

ある感覚的なイメージに導かれました。

 

それは、刺すような点の感覚と、

広大に遍在する光の空間が、

まったく同時に、

同じものとして存在しているような、

不思議に抽象的な空間でした。

 

点の存在と、空間の遍在とが、

同時に在るような、

奇妙な空間イメージ・感覚でした。

 

「点はいたるところにある」

そんなメッセージがやって来ました。

 

点の(非)局在の中に、遍在は含まれており、

遍在空間は、点(いたるところにある)に含まれている。

というようなメッセージでした。

 

「ひとつぶの砂にも世界を

いちりんの野の花にも天国を見

きみのたなごころに無限を

そしてひとときのうちに永遠をとらえる」

(寿岳文章訳)

 

そんなウィリアム・ブレイクの詩句を思い出しました。

 

それは、

「いまここで在ること」と、

「遍在して在ること」をつなぐ、

在り方を示唆するものだったのです。

 

また、当時、抱えていた身体症状に関連して、

無意識の深いに訴えかけて来るような、

メッセージだったのでした。

 

 

…………………………………………………………………

 

さて、このワークは、

実際的な効果も持ちました。

それは、以前、珈琲に感じていたような、

強迫的な渇望感がなくなったということです。

 

余裕をもって、その肯定的な体験を味わえる、

嗜好品になったのです。

 

つまり、珈琲は、筆者の心身(無意識)の中で、

今ここの感覚的鋭さと、

遍在性を結びつけるという直観の、

媒体物(代替物)として存在していたのでした。

 

そして、

そのことに、気づきが得られたことで、

以後、珈琲は、嗜癖的な呪物から、

単なる感覚的ヒントをくれる嗜好品に変わったのでした。

 

 

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