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葛藤解決の方法(ポイント)


さて、
ここでは、
葛藤解決の方法(ポイント)について、
解説してみましょう。

以前の、
別のページでは、
ファシリテーター側の視点から、
葛藤解決の方法を、
解説していました。
(エンプティ・チェアの技法など)

今回、
ここでは、
逆に、クライアントの側として、
私たちが、
自分の葛藤解決をする場合、
どのような体験過程に、
注意して、気づきを深めると、
葛藤が解決していくのか、
そのポイントを、
解説してみたいと思います。

さて、一般に、
葛藤とは、
私たちの心の中で、
複数の欲求や感情が、
からまり、相反し、
苦痛を生んだり、
身動きが取れなくなる状態をいいます。

私たちの中に、
複数の欲求が、
併存していることは、
分かっているわけです。

ところで、
一般には、
この複数の欲求というものが
その背後に、
「複数の自我(私)」として、
存在していることは、
あまり知られていません。

そのため、
自分が何かやりたいことをしようとしている時に、
それを邪魔する感情や欲求が、
湧いて来ると、
何か妨害されたような気分になり、
苦痛を感じたり、
落ち込んだりします。

そして、自分や、
自分の欲求は、
「善」として考え、
自分を苦しめたり、
妨害して来る欲求や感情は、
「悪」なる存在であると、
考えるわけです。

それら、
「悪」なる欲求や感情に、
どこかに去ってもらいたい、
消えてもらいたい、
排除したいと、
考えているわけです。

そして、
多くの人が、
それらの邪魔して来るような感情や、
身体感覚は、
子供の頃や若い頃から、
「自分のパターン」として、
認識しているもので、
「また、いつもの奴が出て来た」と、
感じるものです。

さて、
そのような感情や身体感覚とは、
ゲシュタルト療法の考え方では、
私たちの無意識にある、
別の自我が、
なんらかの「意図」をもって、
働いている結果なのです。

もしくは、
普段私たちが同一化しているなじみの自我と、
別の自我の意図とが、
「摩擦を起こして」
いる症状です。

そのため、
この苦痛な感情や身体感覚が、
「別の自我」という、
理由(わけ)ある存在との、
葛藤によって起こっている、
と知ることが、
葛藤解決の第一歩です。

現れて来る感情や、
身体症状は、
単なる偶然や、余計なノイズでは、
ないのです。
(それは、
シグナルを送っているのです)

次の第二歩は、
その自我の正体を、
その自我の意図を、
知っていくことです。

その自我の正体(意図)を知る際に、
重要なのは、
その自我自身の、
内奥の感情を、
「体験的に」、
知っていくことです。
頭や思考で考えても、
知ることはできません。
(それができれば、
葛藤はとっくに無くなっています)

その感情のエッセンスに、
その自我が何者であるかの、
秘密が潜んでいるのです。
そのため、
自分の深いところに下降して、
コンタクト(接触)して、
体験することが必要となるのです。

そうすると、
一見、表面的には、
ネガティブで、
「悪」であると見えた感情の、
奥底には、
逆に、
能動的な、
渇望と欲求があることが、
分かって来るのです。

その自我欲求の、
「どうしたい」
「何が欲しい」
という根源的な欲求が、
そこには、あるのです。

それらは大概、
本人が、
本当に生きるために必要な、
原初的で、肯定的な、
愛情や愛着にまつわる、
大切な欲求・渇望です。

葛藤のもつれを、
ほどいていくには、
そのような、
奥底にある、
渇望や欲求を、
「今ここで」、
充分に、
体験してみる必要があります。
気づいていく必要があります。
知っていく必要があります。

そして、
それらの渇望や欲求が、
人生の中で、
充分に生きられなかったため、
(なんらかの理由で凍結したため)
心の中の未完了の体験として、
存在していたと、
知ることが大切なのです。

同時に、
その欲求と渇望の力は、
死ぬことなく生き続けて、
自分を駆り立てていた、
根源的なエネルギーだと、
知っていくことになります。

そのためには、
まずは、
その心の渇望や、
欲求のあり様を、
よく体験し、
気づき、
認め、
充分に受け入れていくことが、
必要です。

その渇望は、
私たちが、
これまで生きて来るに際して、
とても重要な役割を、
担っていたのです。

しかし、
人生や生活の中で、
また、日々の処世術の中で、
その渇望や欲求、
深い感情は、
抑圧され、
排除され、
無いものにされていたのです。

そのため、
それらは、
何か関連する特有の機会に、
身体感覚や、
刺激的な感情(苦痛)となって、
現れるようになったのです。

そのため、
まずは、
それらが、
いつも自分とともに、
存在していることを知り、
真の姿は、善きものであると、
肯定的なエネルギーであると、
体験し、
気づき、
認めることが、
第一歩となるのです。

ちなみに、
付け加えると、
このような深い渇望をもった自我が、
どのような過去の出来事に由来したか、
ということは、
あまり重要ではありません。
過去の出来事自体が、
明確に無かったこともあるのです。

重要なのは、
今現在、
実際に存在している、
その渇望の真意なのです。
そのため、
その渇望が今、
何を欲しているかを、
知っていくことが、
重要となります。

さて、
ところで、
普通の現代生活の中では、
このような、人生で周縁化された、
感情や渇望、欲求をつかまえて、
その真の姿を知り、
葛藤を無くしていくような機会は、
基本的には、訪れません。

その分裂と葛藤を抱えたまま、
生きていくのです。
それはある意味、
心の一部分に、
フタをして、
生きていない状態でもあります。
そのため、
その心の一部分は、
執拗に現れて来ては、
私たちを苦しめるのです。
それが、
未完了のゲシュタルト
ということです。
それが強い場合は、
鬱となって、
現れたりします。

さて、
ところで、
ゲシュタルト療法においては、
基本的な手続きと、
技法的な仕組みを使うことで、
このような人生で、
ないがしろにされていた、
重要な渇望や欲求を、
それと認め、
それらの存在を受け入れ、
心理的に、
自分のものとして統合していく、
ということを、
セッションで行なっていきます。

その結果、
「より十全に自分である」
という感覚を持って、
生きていくことが、
できるようになるのです。


…………………………………………………………………………


さて、次に、
実際のゲシュタルトの、
ワーク(セッション)の中で、
葛藤を解決するにあたって、
また自己の内側を探索していくにあたって、
どのようなことに注意すればよいかについて、
記してみたいと思います。

さて、
まず、葛藤状態が、
ワーク(セッション)の中で、
浮かび上がってくるのは、
自分の中にある、
ある欲求(感情)の表現を試みようとした時、
それを否定するような、
別の欲求(感情)の存在に気づいた時です。

そこには、
色々なパターンがあります。
「○○をしたい」に対して、
「○○したくない」というような、
ストレートな反対欲求(感情)がまずあります。

他にも、
「○○をしたい」に対して、
「そんなの無駄なんじゃない(意味ないんじゃない)」という、
懐疑や否定、無価値化の欲求(感情)があります。
また、
「○○したい」に対して、
「そんなことより、もっと別の○○すべきだ」という、
強制や優先の欲求(感情)があったりします。

このような、
別の声の存在を、
とらえることが重要です。

そのような自己の内にある、
別の欲求(感情)の存在に気づいた時に、
自分から、
(または、ファシリテーターの提案で)
その別の欲求(感情)を、
エンプティ・チェア(空の椅子)に、
置いてみます。

自分の外に、
その存在を、一旦、
切り分けてみるのです。

自分の二つの欲求(感情)が、
二つのエンプティ・チェア(空の椅子)に、
空間的に配置されることになります。

自分を妨げる欲求(感情)の存在を、
自分の外に出すと、
より自己一致して、
自分の欲求(感情)自身を、
深く感じ取れる(味わえる)ようになります。

実際、妨げるのがなくなると
私たちの欲求(感情)というものは、
ふっと身軽くなったかのように、
自由になって、
日常ではわからなかったような、
内奥の真意を、
告げて来るのです。
それを、
充分に感じ取り、
身体化(受肉化)していくことが、
重要となります。

奥底から飛び出してきた、
普段は隠れていた欲求(感情)
というものは、
孵化ばかりのヒナのように、
柔らかな存在なので、
それを充分に、
現実的な存在にするには、
身体的な表現なども交えて、
堅固に固めていく必要があるのです。

さて、
この切り離した欲求(感情)の、
内奥の探索に際して、
それを「十分なものにする」のに、
2つの側面(ベクトル)が、
ポイントとなります。
①「底の方から」の側面と、
②「相手に向かって」の側面です。

①の「底の方から」というのは、
葛藤しているものから解放されると、
欲求(感情)は、
その本来性に根差した、
深い真の欲求(感情)を、
告げて来ます。

まず、最初、
葛藤しているものから解放されると、
その欲求(自我)は、
先ほどまでの欲求(感情)を、
繰り返し表現します。
しかし、
その欲求(感情)を、
ひとしきり出し尽くすと、
表出し終わると、
自己の枯れた井戸の底に、
ふっと、シフト(転換)が生じて、
別の新たな欲求(感情)を、
表現しはじめるのです。

その欲求(感情)は、
葛藤状態では、
鬱屈し、歪められていた、
本来の欲求(感情)なのです。
そして、
その本来の欲求(感情)を、
充分に表現・表出してみるのです。

葛藤を分けた場合は、
この状態までは、
きちんとたどり着く必要が、
あります。
そうでないと、
その欲求(感情)は、
中途半端な、未完了感を、
どこかに残したものに、
留まってしまうのです。
これが、
①の「底の方から」で、
必要なポイントです。

②の「相手に向かって」とは、
切り離した欲求(感情)が、
誰に対して、
その欲求(感情)を持っていて、
成就する必要があるかという側面です。

それは、
第一には、
対峙的に葛藤していた、
欲求(感情)に対してである、
ということです。

そのために、
欲求(感情)の表出に際しても、
最終的には、
その相手に、きちっと、
欲求(感情)を伝えていくこと、
コンタクト(接触)していくことが、
重要となります。
その中で、
欲求(自我)間のエネルギーの交流が、
物理的に生ずるのです。

そのことが、
欲求(感情)を、
「現実化」と「統合」に向かわせるにも、
きわめて重要なポイントなのです。

身体化(受肉化)していくにも、
大いに役に立つのです。

ここで、2つの欲求(自我)を、
きちんと接続できないと、
現実感と統合に、
不足が生じてしまうのです。

これが、
②の「相手に向かって」という、
重要なポイントです。

この①と②が、
充分に深められて、
練られて、
ワークが行われていくと、
葛藤解決は、
つよい強度をもった、
自己の統合として、
着地することができるのです。

 

 

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