【PART1 Basic】ゲシュタルト療法 概論/目次

◆実存的・ケンタウロス的な心身一元論的心理療法

 

さて、ゲシュタルト療法は、

通常、心理学の歴史の中では、

「人間性心理学」の中に

分類されるものです。

 

「自己実現」や「至高体験」の

コンセプトで有名なマズローらが、

「人間性心理学」に分類されています。

 

「人間性心理学」は、

第二次大戦前の、フロイトらの「精神分析」や、

スキナーらの「行動主義」に継ぐ、

第三の勢力と位置づけられています。

実存主義的な心理学や、

心身一元論的な傾向などに、

特色があります。

 

ところで、

その後の世代の、

トランスパーソナル(超個的)心理学の理論家、

ケン・ウィルバーは、

その「意識のスぺクトル」理論の中で、

ゲシュタルト療法を、

「ケンタウロス(半人半馬)」の領域にある、

心理療法であると位置づけました。

 

この位置づけとイメージ(メタファー)は、

なかなか、言い得て妙でもあるので、

このことが指している意味合いを、

はじめに見て、

ゲシュタルト療法の、

特色と可能性としておきたいと思います。

 

まず、ウィルバーは、

世界のさまざまな心理療法を、

タイプ分けするにあたって、

各心理療法が、

「何を、自己の主体として、

同一化しているか」

という「主体の範囲」の違いによって、

各心理療法を、

マッピングしていきました。

 

この「何を、自己の真の主体として、

同一化しているか」

という視点は、同時に(逆には)、

「何を、自己の主体として、

同一化しないか」

何を、自己以外のものとして、

抑圧・排除しているか

何と、分裂しているか、解離させているか」

ということを意味することになります。

 

「人間が行なう、心の抑圧と分裂を、

どのような境界(自己と他の境界線)に見るのか」

「何と何を統合すると、

自己の全体的な統合と見なすのか」

ということを意味しています。

 

そのように各心理療法の理論を、

マップ上に、位置づけたのでした。

下図が、その図式です。

 

下にいくほど、

自己や主体の範囲(内容)が、

広くなっているという図表です。

 

 

 

その本人が、

「『意識や主体』として、

何に、同一化しており、

逆に、何を『無意識や客体、他者』として、

抑圧・排除しているのか」

そして、

「人間が、統合(治癒)されるとは、

何と何が、統合されることなのか」

その答えが、各流派によって、

大雑把に、タイプ分けできるというのが、

ウィルバーのアイディアでした。

 

上の図では、オレンジ線の、

左側が「意識や主体」、

右側が「無意識や客体、他者」

となっています。

 

例えば、

現在の多くの心理療法が、

(近代的文化自体そのような立場ですが)

健全な「自我」が、確立されることが、

心理的な統合であると、

見なしています。

 

その場合は、

「仮面」(偽りの自己像・セルフイメージ)を主体として、

見たくない「影」を抑圧している人々に対して、

「影」の部分を意識化し、

主体に受け入れさせ、

統合させていくことが、

治療的アプローチとなっていきます。

 

人間の中で、

偽りの自己像(仮面)を維持するために、

都合の悪い感情を抑圧することで、

「影」が生まれるのです。

 

当人が、

この都合の悪い感情を、

受け入れていくことで、

ニセの自己像(仮面)と、

「影」の存在が、

溶け出し、融合し、

健全な「自我」主体が、

確立されてくるというのが、

その理論と実践アプローチとなります。

 

しかし、

別の流派(心身一元論派)の視点からすると、

このような「自我」主体の確立だけでは、

統合が、不十分(部分的)であると見なされます。

そこでは、「身体」の存在が、

抑圧され、排除されているからです。

 

心身一元論的な心理療法の中では、

身体の中にこそ、重要な感情や表現、

生の基盤があると、

考えられているのです。

そこでは、「有機体」全体を、

「全身全霊」の、

ひとまとまりの全体性として、

主体として生きられることが、

必要な「統合」だと、

考えられているのです。

 

ところで、このような、

心と身体を合わせた「有機体」全体を、

主体と見なす、

心身一元論的な心理療法各派を、

ウィルバーは、

ケンタウロスの領域の心理療法であると、

見なしたのでした。

心身一元論的な心理療法各派は多く、

フロイトの弟子のヴィルヘルム・ライヒの、

理論と実践から出発しています。

 

ゲシュタルト療法は、

ボディワークを主体とした、

ローウェン(ライヒの弟子)の、

バイオエナジェティックスらとともに、

この領域の心理療法に、

位置づけられているのです。

その他のケンタウロス的なセラピーは、

実存主義的なセラピー流派などがあります。

  

この位置づけは、

有機体全体の生命力を、

精神と野生との融合を、

溢れるように発現させる、

ゲシュタルト療法の位置を、

正確に示しているとも、

思われるのです。

 

そして、また、

その生命力の拡張された流動性と、

セッションで現れる変性意識状態(ASC)ゆえに、

その体験を充分に深めていくと、

隣接したトランスパーソナル(超個的)な領域も、

自然に開いてくるゲシュタルト療法の性格を、

よく表現しているように思われるのです。

この点については、

【PART2 Standard】気づきと変性意識の技法 基礎編

のところで、

またくわしく見ていきたいと思います。

 

(ウィルバーも指摘していることですが、

ケンタウロスの領域のセラピーは、

充分に統合を進めると、

トランスパーソナルな領域を、

自然に開いてくるのです)

 

ところで、

ケンタウロスとは、

ギリシャ神話に出てくる、

半人半馬の存在です。

腰から上が人間、

腰から下が馬の姿となっています。

人間の精神性と、動物の野生性とを、

結合させたシンボルとなっています。

馬のような、力強い速さで、

走る存在なのでしょう。

このイメージは、

私たちが、通常、想定するものより、

大きなパワーを持っている、

生命有機体の、自然の潜在力を、

よく表しているようにも思われます。

ウィルバーが、このイメージを採用したのも、

その力のポテンシャルゆえでしょう。

 

そして、

この神話上の存在の姿は、

ゲシュタルト療法の持っている、

野生的で、遊戯的な、

十全な生命を発露する、

その方法や姿勢を、

なかなか上手く表現しているとも、

思われるのです。

 

 

 

さて、このパートでは、

当スペースの基礎的な方法論である、

ゲシュタルト療法と、関連事項について、

まとめています。

 

1.ゲシュタルト療法【基礎編】

 

→基本的な理論や用語についてまとめています。

 

2.ゲシュタルト療法【実践・技法編】

 

→具体的なセッションのプロセスや技法について、

 解説をしています。

 

3.ゲシュタルト療法【応用編】

 

→応用事項から、

 周辺のポイントまでを、解説しています。

 

4.「セッション(ワーク)の実際」

 

→当スペースの、

 ゲシュタルト的なセッションが、

 どのように進められて、

 また、どのようなことが体験されていくのかを、

 プロセスにそって、解説しています。

 

「セッションで得られる効果と成果」

 

→ゲシュタルト的アプローチによる効果と、

 人生で役立てっていく成果について、

 解説しています。

 

「なぜ、ゲシュタルトなのか 出会いと選択」

→筆者自身が、なぜ、ゲシュタルト療法(的アプローチ)を、

 方法論として採用したかの経緯を、

 解説したものとなっています。

 このことで、ゲシュタルト療法の特徴や、

 卓越性を、理解いただけると思います。

 

【ブックガイド】

ゲシュタルト療法については、

基礎から実践までをまとめた総合的解説、

拙著『ゲシュタルト療法 自由と創造のための変容技法』

をご覧下さい。

 

 

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↓ゲシュタルト療法の基本については、拙著『ゲシュタルト療法ガイドブック:自由と創造のための変容技法』をご参照ください

 

▼ゲシュタルト療法を通して、意識や心身が、拡張した感覚が得られます。

 

 

最終的に、心理的統合は、私たちの内に、青空のように開かれたトランスパーソナル(超個)的な領域をつくります。〈青空の通り道〉ができてきます。

 

 

 

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